吉田胎内樹型の竜神像
世界文化遺産・富士山の構成資産「吉田胎内樹型」に奉納されていた竜の木造彫刻。吉田胎内樹型は、富士山噴火でできた溶岩洞穴で、現在の埼玉県志木市の「丸藤講」の先達・星野勘蔵が1892年に発見。富士講信者が登拝前に身を清める巡礼の場所となり、安産の地ともされる。竜の木造彫刻「竜神像」の作者は不明だが、発見の翌年に奉納されたとされる。高さ約80センチ、幅約70センチで、迫力のある竜が彫られている。
山梨県富士吉田市上吉田3丁目の町御師「梅谷家」の梅谷時子さんの先祖は、吉田胎内神社の神職を務めるなど樹型を管理。竜神像も梅谷さんの祖父母が管理していた昭和30年代まで樹型の中でまつっていたという。その後は、梅谷家の2階で保管していた。
2021年、中宿連合自治会が発行した歴史や文化財を紹介する広報誌「中宿だより」で、竜神像が紹介された。竜神像の存在が知られていなかったこともあり、梅谷さんの元に「見たい」という声が集まり一般公開を決めた。一般公開は初めてとなる。このほか、祖先の描いた富士山の神である「コノハナサクヤヒメ」の作品や樹型内の写真なども飾られている。公開は午前9時半~午後4時まで。不定休。
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