2021.12.24
クニマス 秋田で元気に
追加貸与 30匹発送作業が完了
秋田県に貸与したクニマスが相次いで衰弱死したことを受け、山梨県が追加貸与するクニマス計30匹の引き渡しが21日、完了した。山梨県から秋田県への貸与は2年ぶり。発送作業を見守った秋田県側の関係者は、再び多くの人たちに見てもらうことに期待を寄せた。
発送作業は、忍野村の県水産技術センター忍野支所で行った。屋内飼育池で育てた20匹を、酸素と水を詰めたビニール袋に4匹ずつ収容。発泡スチロール箱にこん包し、計5箱を秋田県から来たトラックに丁寧に積み込んだ。支所では約300匹のクニマスを飼育しており、今回貸与したクニマスは昨年11月に生まれた個体で、体長は約15センチ、重さは25グラムほどだという。
山梨県は2017年と19年に計40匹を秋田県に無償で貸し出したが、寿命などで衰弱死した個体もいて、秋田県が追加の貸与を要請。山梨県は今年9月に1歳魚10匹、今回20匹を発送した。秋田県の田沢湖クニマス未来館(仙北市)に6匹、秋田県水産振興センター内水面試験池(北秋田市)に24匹が振り分けられる。秋田県内のクニマスは計37匹になるという。
発送作業を見守った田沢湖クニマス未来館の千葉俊成館長は「県内のみならず、多くの人に来館してクニマスを見てもらいたい」と期待。山梨県水産技術センター忍野支所の青柳敏裕支所長は「クニマスが今後も自然保護啓発の象徴的な魚になってほしい」と述べた。
(2021年12月22日付 山梨日日新聞掲載)
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