2021.12.07

甲斐や富士山など絵画資料を読み解く

山梨郷土研が研究例会

 山梨郷土研究会(野口英一会長)は4日、笛吹市石和町四日市場の帝京大文化財研究所で第3回研究例会を開き、「絵画資料を読み解く」をテーマに3人が発表した。

 常任理事の末木健さんは「甲斐国と富士山」と題し、甲斐(山梨県)と駿河(静岡県)で富士山を領有することになった背景を考察した。古代は富士山全体が駿河に属したが、貞観の大噴火で溶岩が甲斐まで流れ込んだことを機に浅間神社がまつられ、武田信虎が富士山に参詣するなど「武田氏の時代には富士山の半分は甲斐国のものとの認識があった」と指摘。江戸幕府が作成した「天保国絵図」に初めて甲斐に富士山が描かれて以降、「富士北麓は甲斐国に属すると全国的に明確にされた」と解説した。

 このほか県立博物館学芸員の松田美沙子さんが「錦絵に見る甲斐国」、事務局長の数野雅彦さんが「平安時代の土器に描かれた鵜飼漁」と題して発表した。

(2021年12月5日付 山梨日日新聞掲載)

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