うつろう富士 写真集に
30年以上富士山の写真を撮り続けている山梨県南部町の渡辺英基さんが、2021年5月に出版した、写真集「うつろひ~富士山のある風景」。時間や季節によって変化する富士山を県内外から撮影した写真を収録している。
渡辺さんは中学1年生のころ、写真撮影に興味を持ち、一眼レフカメラを購入。写真クラブで天体や学校行事を撮影した。大学時代は昆虫や花の写真を撮っていたが、静岡・富士宮市の自動車販売会社に就職し、通勤時に毎日見るようになった富士山の撮影を始めた。休日や出勤前の時間を利用し、富士河口湖町や静岡県富士宮市を巡り、これまでに30万枚以上を撮影したという。
桜や茶畑、彼岸花など季節の植物と富士山を写したものや、かさ雲やつるし雲など山頂付近に発生する雲を捉えた写真などを撮影。富士山の山頂から顔をのぞかせる金星を撮影したこともある。
還暦を迎えた昨年、出版企画事業を手掛けるスプリングインク(東京都)が主催する新人写真家を表彰する「第3回写真出版賞」に応募。星や空を背景にした富士山の美しさを表現している点が評価され、「エンターテイメント部門」で最優秀賞を受賞した。
同社から写真集出版の提案があり、出版を決めたという。写真集には約30点の作品を収録。「雲」「季節」「光」の三つのテーマごとに、変化する富士山を切り取った作品を集めた。みらいパブリッシング、1650円。
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