スバルライン 橋に亀裂
雪代被害、通行止め長期化も
土砂と積雪が流れ出す「スラッシュ雪崩」(雪代)で道路や橋などが被害を受けた富士山有料道路(富士スバルライン)で、橋に複数の亀裂が確認されたことが7日、県関係者への取材で分かった。県は土砂の撤去を進め被害の全容把握を急ぐが、橋の被害の程度によっては長期的に橋が通行できない可能性もある。県はゴールデンウイーク(GW)前の開通に向け、迂回路などを設けることも検討している。
県関係者によると、県の調査で亀裂が見つかったのは、富士山5合目ロータリーから約1キロ下った場所にある石楠花橋。山頂側の橋桁に幅1~2ミリ程度の亀裂が複数箇所確認された。橋を支える橋台に被害がないか、土砂を掘り起こして確認を進めている。亀裂が橋桁の鉄筋まで到達している場合や、橋台に被害が確認された場合は、補修が長期に及ぶ可能性があるという。
県はGW前までの開通を目指しており、橋の補修が長期にわたる場合、迂回路の設置を検討。土砂で橋の脇を埋め立てて通行を可能にする方法や、仮設の橋を設ける方法などがあるという。
石楠花橋のほかにスラッシュ雪崩の被害が確認された御庭洞門、青草洞門、苔桃橋の3カ所は現時点で目立った損傷は確認されていない。県は3カ所の状況についても調査を進める。
県県土整備部の担当者は「GW前の開通に向けて、最大限の努力をしている。まずは被害の全容把握に努めていきたい」と話している。
スラッシュ雪崩による道路被害は3月22日に確認された。5合目の雨量計は21日午前5時~午後8時に324ミリの降雨を観測。県は雨で積雪が解けてスラッシュ雪崩が発生したとみている。
(2021年4月8日付 山梨日日新聞掲載)