2021.4.01

疫病退散へお神酒

井出醸造 神社でラベル祈念

 日本酒「甲斐の開運」の銘柄で知られる井出醸造店(富士河口湖町船津、井出與五右衛門社長)は4月上旬から、富士河口湖町勝山の冨士御室浅間神社で祈念したラベルを貼ったお神酒「富士北麓の御神酒」の販売を始める。疫病退散や地域活性の願いを込めて初めて企画した。

 同神社が一般販売用のお神酒の製造を承認するのは初めてという。富士山の伏流水で仕込んだ本醸造で、1本720ミリリットル入り。新型コロナウイルスの早期収束を願って同神社境内に祭られている、なでると具合の悪い部位が治るとされる「神使の撫牛」をラベルデザインに選んだ。ラベルは25日に同神社里宮で神事を行って清めた。

 ボトルには五つ折りの縦約10センチ、横約20センチのパンフレットも付ける。同神社の概要や、富士山の女神「木花開耶姫命」にちなんだ民話も記載している。

 6千本限定で製造し、県内のスーパーや酒販店に出荷。公式オンラインサイトでも販売する。価格は1本1350円(税込み)。

 来年以降もラベルやパンフレットを変更し、富士山にまつわる他の神社でおはらいして製造を続ける計画。井出社長は「お神酒が疫病退散や地域の活性化につながり、再び観光客が増えてくれればうれしい」と話している。

(2021年3月30日付 山梨日日新聞掲載)

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