大規模土砂、道路覆う 富士山
雪代、スバルライン4ヵ所被害
山梨県は24日、富士山有料道路(富士スバルライン)の4~5合目で、積雪が土砂と一緒に流れ出す「スラッシュ雪崩(雪代)」によって、道路4カ所で被害を受けたと発表した。現時点で復旧に要する期間は不明という。県は21日に降った大雨で積雪が解け、スラッシュ雪崩が発生したとみている。
県道路整備課によると、スラッシュ雪崩による道路被害は22日、4カ所で確認された。御庭洞門付近で約25メートル、青草洞門付近で約110メートル、苔桃橋付近で約170メートル、石楠花橋付近で約20メートルにわたり、それぞれ土砂が道路を覆った。石楠花橋付近では、ガードパイプが壊れるなどの被害が出た。
富士山5合目の雨量計は21日午前5時~午後8時に324ミリの降雨を観測。県は雨で積雪が解けてスラッシュ雪崩が発生したとみていて、「道路を土砂が覆うなどしていて規模は大きい」としている。
県道路公社が22日午前7時にパトロールを実施し、状況を把握した。県はドローンで画像を撮影して専門家に状況確認を依頼し、土砂撤去にかかる期間を調べている。土砂の撤去後、橋などへの被害を確認する。
スバルラインは1月12日から4合目以上は積雪のため、通行止めになっており、県はスラッシュ雪崩の発生を受けて当面の間、通行止めを継続する。例年、ゴールデンウイーク(GW)前に全線開通しているが、同課は「土砂の撤去や工作物の被害状況を把握した上で、全線開通の時期を判断したい」とした。
富士山では鳴沢村の5合目付近の大沢崩れで21日にスラッシュ雪崩が発生。土砂が富士吉田市の砂防施設「富士山宮川堰堤工」に流れ込んだことが確認されている。
(2021年3月25日付 山梨日日新聞掲載)