2021.2.08

富士登山鉄道、計画段階で影響評価を

計画段階で影響評価を

 富士山世界文化遺産学術委員会(委員長・遠山敦子元文科相)は5日までに、山梨県が進める富士山の麓と5合目を結ぶ「富士山登山鉄道構想」について、県が計画段階で影響評価を実施することなどを求める提言をまとめた。

 県世界遺産富士山課によると、学術委員会は4日に県の基本構想検討会に提言を送付。提言では登山鉄道プロジェクトについて、計画段階で鉄道が整備された場合の自然景観や来訪者の動向などを予測し、評価することを県に求めた。事業段階になった場合、事業運営者は軌道整備に伴う環境への影響以外に、駅舎整備などの事業を一体的に評価することも盛り込んだ。

 また、影響評価について、学術委に助言を求め、富士山世界文化遺産協議会に承認を得ることを要請。実施した影響評価は、国が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出することを明記した。

 県は2日に富士山登山鉄道の構想案を公表。富士山有料道路(富士スバルライン)上に次世代型路面電車(LRT)を敷設することが5合目への交通手段として「最も優位性が高い」とした。整備費は約1400億円で事業主体は民間を想定。8日に東京都内で開かれる検討会の総会で構想が決定する見通し。

(2021年2月6日付 山梨日日新聞掲載)

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