2021.1.18
富士登山「今年は上向き」
富士吉田、筒粥神事で占う
富士吉田市下吉田3丁目の小室浅間神社で14日夜から15日未明にかけて、農作物の豊凶などを占う「筒粥神事」が行われた。農作物は「例年より豊作」、新型コロナウイルスの影響で昨夏は登頂できなかった富士山の登山者数は「昨年を上回る」との結果が出た。
筒粥神事は神社で800年以上続くという伝統行事。神事をつかさどる占人が、かゆを炊く大釜に長さ15センチほどのヨシ24本を付けた「粥柱」を入れて煮る。炊き上がった後、ヨシに入ったかゆの量で小麦や稲、大豆など作物18種類の豊凶や富士山を参詣登山する人の数を占う。
14日は午後9時すぎに本殿で神事を執り行った後、占人と氏子総代らが境内の「筒粥殿」にこもった。午後10時前にまきに火を付け、釜の水が沸くと米を投入。占人はかき混ぜながら煮込み、15日午前0時半ごろに炊き上がった。
占人が引き上げたヨシを順番に割り、中に入ったかゆの量を確認。平年よりも多いかゆが入っていたことから、富士山の登山者数は「昨年を上回る」との結果で、首都圏からの登山者も多いとされた。農作物は「例年より豊作」と出た。カツの木の焼け具合などから占った天気は「全体的に穏やか」だった。神事は午前2時すぎまで行った。
新型コロナの感染拡大を受け、参加する占人と氏子総代を例年の約半数の10人に減らして実施。渡辺平一郎宮司は「感染者が相次ぐ中、伝統ある行事を行うことができて良かった。希望のある結果が出た。新型コロナに打ち勝つ年になることを期待したい」と話していた。
(2021年1月16日付 山梨日日新聞掲載)
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