ビスケットの天ぷら
ビスケットに天ぷら粉を付け、油でさっと揚げる。「ビスケットの天ぷら」は手軽ながら、山梨県の鳴沢村内で祭りがあると各家庭で「おごっそう(ごちそう)」として作られ、親しまれ続けてきた。
村によると、ビスケットの天ぷらは、村内の家庭で作られる郷土食。食糧が不足していた戦時中に、腹を満たすためにビスケットを衣でかさ増しをして食べたのが始まりとされているが、起源については資料が残っていないという。現在も家庭に限らず、保育所でおやつとして提供されることもある。
道の駅なるさわの軽食堂では、1日に5枚入り20食限定でビスケットの天ぷらを販売している。観光客にも人気があり、夏の観光シーズンは連日売り切れになるという。
道の駅なるさわで販売している品は、市販のビスケット「かーさんケット」に天ぷら粉を付け、油が染み込みすぎないように両面を10~20秒程度揚げて仕上げている。外側はサクサク、中はしっとりとした食感が楽しめるのが特徴。
衣を多く付けて揚げると、ふわっとした柔らかい食感になり、少なめにするとサクッとした仕上がりに。衣にごまや青のりを混ぜる作り方もあり、家庭によって違いがあるのも郷土食として定着している証し。
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