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2020.1.29 所属カテゴリ: 山日紙面で見る富士山 / 1月 /

氷上の祭典幕開く 県選手団、堂々の行進

 「ふれあいの輪をひろげよう」をスローガンにした、かいじ国体(第41回国民体育大会)のトップを飾る冬季大会スケート競技会・アイスホッケー競技会は28日、快晴の富士山を仰ぐ富士吉田市、河口湖町で華やかに開幕した。皇太子ご夫妻をお招きして富士急ハイランド・コニファーフォレストで開かれた開会式には44都道府県選手団、大会役員、観衆約1万200人が集まり“氷上の祭典”の開幕を祝った。午前10時半からは早くもアイスホッケーの熱戦が始まり、午後に入るとスピード、フィギュアもスタート、富士北麓は華麗なセレモニーと力強い戦いで歓声があふれた。

 開会式は皇太子ご夫妻の会場ご到着の後、午前9時半の開式通告で始まった。上空は雲ひとつなく、雄大な富士山が目の前にくっきりと浮かび上がる下を、富士学苑高校生がスケートで国旗・大会旗・山梨県旗を掲げながら軽やかに滑走入場した。天皇杯、皇后杯を持って入場する前年開催県の鳥取県代表に続いて、選手団の入場行進が始まった。

 北国の強豪・北海道を先頭に、色とりどりのユニホーム姿の各都道府県選手団が続々と行進。青森県選手団は「かいじ国体の成功を祈ります」の横断幕を掲げて観衆の拍手も一段と高まった。

 この間、バックスタンドでは赤、黄、青に色分けした中、高校生、富士吉田市民による385人の音楽隊が力強い演奏、台唱で大会ムードを盛り上げた。

 山梨県選手団は南国・沖縄に続いてしんがりで入場。旗手の高村豊子選手(山中湖村)の掲げる県旗を先頭に雨宮茂雄団長以下、117人がワインカラーのユニホームで力強く行進すると、ひと際高い拍手と歓声が沸き上がった。

 午前10時、大会実行委員長の望月知事が開会宣言を行い冬季大会が正式に開幕した。

 国旗、大会旗、県旗など掲揚の後、鳥取県が天皇杯、皇后杯を返還、青木半治日本体育協会副会長が「大会の成功に期待する」とあいさつ、高村権佐久県議会議長、渡辺万男富士吉田市長が歓迎の言葉を贈った。

 続いて皇太子殿下のお言葉があり、式典はハイライトの選手宣誓へ。成年男子長距離のエース・石川善文選手(峡北高-日体大)が「力いっぱい戦います」と堂々と宣誓すると、会場と富士山を挟む針葉樹の林の中から、花火が打ち上げられた。この後、地元スポーツ少年団の小学生たちがリンクを滑走、鮮やかな原色の風船を大空に放って、“戦い”に入る選手たちを励ました。大会は31日まで続く。

 望月知事は「この冬季大会はかいじ国体の出発点であり、開会式が無事終了したことは大きな意味を持つ」と談話を発表した。 【当時の紙面から】

(1986年1月29日付 山梨日日新聞掲載)
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