2019富士登山者アンケート[1]<入山料>
山梨日日新聞は富士山臨時支局の開設に合わせ、登山者から任意で集めている富士山保全協力金(入山料)の在り方などに関するアンケートを登山者100人に実施した。下山道整備をはじめトイレ、救護所の維持管理などの財源として徴収されている入山料を「強制徴収(義務化)すべきだ」と回答したのは約半数の53.0%に上った。「世界文化遺産として守るため」との理由のほか、「安易な登山の抑制につながる」といった意見もあった。
アンケートは1、2の両日、山梨県側5合目の登山口で実施。入山料の強制徴収について、「必要はない」としたのは19.0%、「どちらとも言えない」は26.0%だった。
強制徴収を求めた人からは「世界文化遺産のため」とする理由のほか、「安易な登山者を管理できる」との指摘があった。一方、必要はないと回答した人からは「それぞれの考え方がある」などの意見があった。
どちらとも言えないとした人からは強制徴収について「なぜ支払うか登山者が理解することが必要」とし、入山料の使い道などを周知する取り組みの重要性を指摘した。
入山料を巡っては、公平性の観点から強制徴収に転換すべきとの声がある一方で、「完全捕捉」の難しさなどが課題となっている。
入山料の徴収対象が今夏、「5合目から山頂を目指す登山者」から「5合目から先に立ち入る来訪者」に拡大されたことについて賛否を聞いたところ、賛成が73.0%だった。「5合目も山頂も富士山であることに違いはない」など肯定的に受け止める意見が目立った。
入山料の支払いについては、75.0%が「払った」とし、「払わなかった」の24.0%を大きく上回った。支払い方法は現地が79.7%で、ツアーでの団体納付が20.3%だった。入山料の望ましい使途について複数回答で聞いたところ、「登山道の維持補修」が65.0%で最多だった。
入山料は2014年に本格導入され、昨夏の山梨側の協力率は58.6%だった。今シーズンの7月の協力率は69.3%で前年同期を8.2ポイント上回っている。