岩殿山
絶好の富士ビュースポット
山梨県大月市の中心部が見渡せる岩殿山では、桂川の向こうに富士山が眺望できる。陽光を浴びて輝く姿は絶景で、地域住民のみならず県内外の写真愛好家らを引き付けている。
ふもとの登山道入り口から徒歩で15分程度の岩殿山丸山公園は、眼下に市中心部や都留市北部の街並みが広がり、地域住民の散歩コースとして人気。春には満開のソメイヨシノと屋根越しにのぞく富士山を目当てに、県内外から多くの登山者や観光客が訪れる。
山頂まで1時間以内で登れるという手軽さも魅力。
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岩殿山は東西南北に「岩殿」「浅利」「強瀬」「畑倉」の4つの登頂ルートがあったが、2017年の台風による土砂崩落などで大きな被害を受けた東側の「岩殿」ルートについては崩落が激しいことから復旧を断念。中腹の七社権現付近までは登ることができるが、登頂ルートとしては廃止された。また、2019年8月には「鏡岩」と呼ばれる大岩壁の岩が剥がれ「強瀬」ルートに落下、ルート上の手すりパイプを破壊。市は登山客の安全を確保するため、「強瀬」ルートの中腹にある丸山公園(岩殿山ふれあいの館)から山頂付近の「浅利」ルートとの合流地点までの約400メートルを通行止めとしている。さらに「浅利」ルートでは一部う回路(クサリ場西=通行不可)を利用する箇所がある。
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市は2020年6月から3カ月間、鏡岩の調査を実施。鏡岩のうち、「強瀬」ルートにかかる約4700平方メートルで打音調査や目視点検を実施し、約4割の範囲で岩盤が落下する危険があると判明した。岩盤の剥離も複数箇所で見つかり、厚さ1メートルから数十センチの岩が新たに落下する恐れもあり、以降開通のめどは立っていない。一方、市は「畑倉」ルートを活用してもらおうと、誘導看板を新設し、観光ガイドマップに掲載するなど新たな誘客策を模索。2021年4月には、「強瀬」ルートの中腹にある「岩殿山ふれあいの館」の入館料も無料化した。
■所在地 山梨県大月市賑岡町強瀬