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2020.11.28 所属カテゴリ: ぐんないスポット探訪 / 都留市 /

田原の滝

芭蕉が詠んだ清流

田原の滝

 「勢ひあり氷消えては瀧津魚(たきつうお)」-。都留市田原の桂川にある「田原の滝」は、江戸時代の俳人松尾芭蕉が立ち寄ったと伝えられ、市の名勝に指定されている。

 1682年の江戸の大火を逃れた芭蕉は、弟子の高山傳右衛門を頼って都留に滞在したとされる。句は、田原の滝の氷柱も消え、富士の雪解けで水が増した春の桂川の情景を、清流に躍る魚とともに喜ぶ心情を詠んだもの。

 桂川は富士山から流れた溶岩が長年にわたり浸食されて生まれた「柱状節理」と呼ばれる柱状の岩が並ぶ独特の景観が特徴。1950年代にコンクリートの砂防えん堤が設置され、趣のある渓流景観が失われたが、2006年、景観に配慮した修景工事が行われ、美しい渓流美が復活した。

 滝にかかる佐伯橋のふもとには、1948年に建立された飯田蛇笏の揮毫(きごう)による句碑と、句を詠む芭蕉の石像があり、多くの人が句碑巡りに訪れている。

 都留市は2018年、環境省の「平成の名水百選」に選出された「十日市場・夏狩湧水群」の散策コースの出発地点として、滝の隣接地に「田原の滝公園」を整備。敷地面積は約1500平方メートル。湧水群の「太郎・次郎滝」や、境内に湧水が流れる永寿院などを巡るコースを紹介する看板を設置。湧水地やベンチの場所を示したほか、各名称を日本語と英語で表記。園内には富士山の湧水をイメージした水を使ったオブジェや、田原の滝を間近に望む展望台を設置。最大8台分の駐車スペースと24時間利用が可能なトイレも整備。

 ■所在地 山梨県都留市田原4丁目

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