2019.5.24
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富士山噴火に備える /
特集(山梨日日新聞特集から) /
鳴沢
「全村避難」の事態も想定
鳴沢村は、居住できる区域のほぼ100%が1-3次の避難ゾーンとして位置付けられた。村内9カ所の避難所はいずれも避難ゾーン内に位置していて、「可能性は極めて低いものの、噴火の規模によっては全村避難という事態も生じかねない」(同村)。万が一の時に備え、村は近隣市町村と噴火時の避難住民受け入れに関する協定を結ぶなどの対応を検討している。
火口ができる可能性があるとされる「一次ゾーン」には、スキー場「ふじてんスノーリゾート」が含まれる。溶岩流が3時間以内に到達したり、火口から噴出した石が落ちてくる可能性がある「二次ゾーン」には別荘地やゴルフ場などが立地。村役場などが位置する村中心部は、溶岩流が1日程度で到達する「三次ゾーン」。
特に災害時には約3000棟に上る別荘の住民への対応が課題となる。別荘住民の滞在時期はさまざまで、噴火時に村内にいる住民の実数を把握するのは難しいが、避難対策の事前周知は不可欠。村は別荘の管理事務所にマップを配布し、別荘住民に避難ゾーンの周知を図っているほか、同事務所などと緊急時に連絡を取り合う体制の整備に取り組む方針だ。
富士山に積雪がある時期には、雪を溶かしながら斜面を流れ下りる「融雪型火山泥流」が発生するとみられ、村役場前から富士河口湖町方面へと流れる可能性がある。噴火が始まった時には速やかな避難が求められる。
【噴火への備え 富士山防災避難マップから】
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