富士吉田と仏・シャモニー 正式に縁組み クーテ市長迎え調印
姉妹都市調印のため9日、富士吉田市にフランスのシャモニー・モンブランから市長夫妻ら一行24人が訪れた。調印式ではシャモニー、富士吉田両市長が恒久的な連帯関係をうたった姉妹都市宣誓書にサイン、正式に縁を結び、引き続き行われた富士吉田市主催の歓迎セレモニーで両都市間の交流を深めた。遠来のシャモニー市長夫妻らは10日富士山5合目に登山、市民運動にも参加して、同日午後帰京する。
シャモニー・モンブラン市からのお客さんはクリスチャン・クーテ市長夫妻をはじめブリソー同市観光局長、地元旅館組合員、地元市民の24人。5日に来日し、9日午前10時半に富士吉田市役所に到着した。市役所の前庭広場には市職員、市国際観光委員会、市議会議員ら約100人が出迎え、市長夫妻に花束を贈って歓迎した。引き続いて11時半から市産業会館で調印式が行われた。クーテ市長、石原茂市長が宣誓書に調印、出席者の温かい拍手でつつまれた。
調印後、石原市長がまずあいさつに立ち「念願の姉妹都市関係を結ぶことができた。今後は両国の友好とともに文化、教育など幅広い交流を進めたい」と語った。クーテ市長はこの日は記念すべき日だと喜びの言葉でスピーチを始め、シャモニー・モンブラン市を約20分間にわたって紹介。最後に「末長い交流を続けましょう」と呼びかけた。
また、ことし4月、富士吉田市内の小学生約100人が贈った絵画が、モンブラン市内の商店ウインドーに展示され、買い物客が投票で優秀賞を決めた。このため、同日は投票で見事1位に選ばれた同市上吉田の吉田小4年花形豊城君にモンブラン商店組合から記念品のウシの首につるす鐘が贈られた。このほか両市でプレゼントの交換を行い、富士吉田市からは武者カブト、織物の洋ガサが贈られ、モンブラン市からは11キロもある水晶の原石、姉妹都市を記念して作られたキーホルダーがプレゼントされた。
この後、会場では歓迎セレモニーに移り、日本料理と酒で遠来の客をもてなした。クーテ市長は2日間富士吉田市に滞在する。この日は、午後から忠霊塔でモミの木を記念植樹し、月江寺で野だて、北口浅間神社で神楽見物、夜は河口湖畔の富士ビューホテルで歓迎レセプションが行われた。10日は午前中富士登山をする。クーテ市長らは5合目までだが、一行のうち何人かは登山も行う。またクーテ市長らは同日、鐘山スポーツセンターで開かれる市民大運動にゲストとして出演、市民とともに玉入れ競技に参加する予定。帰京は午後3時、帰国は12日。 【当時の紙面から】
(1978年10月10日付 山梨日日新聞掲載)