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2019.2.01 所属カテゴリ: 山日紙面で見る富士山 / 2月 /

富士山の魅力を再発見

古里都留市内から限りない表情描写 増田誠画伯

 都留市出身の洋画家増田誠画伯が都留に滞在し、市内各地から見た富士山の絵をかいている。1957年、37歳で渡仏して以来、パリで創作活動を続けている増田画伯にとって、古里での創作は初めて。市職員の案内で各地を回りながら、気に入った場所にキャンバスを立てている。

 昨年10月、展覧会のために帰国。河口湖町の美術館建設計画を相談され、創作依頼を受けたのが富士山をかくきっかけ。昨年暮れ、同町で14点をかいた後、都留市からも依頼され、1月18日から市内の旅館に滞在している。

 「富士山は日本の象徴。美女にたとえた場合、薄化粧の時と濃い化粧の時とがある。光の具合によってその表情は限りなく変化する。多くの人が富士をかいているが、増田誠なりに富士山の魅力をかこうと思った」と話し、作品のテーマを「富士の再発見」としている。

 これまでに手掛けた作品は13点。勝山城跡や開地地区、玉川などから見た富士をかき、大きさも10号から30号とさまざま。

 増田画伯は「市内の変ぼうぶりに驚いた。しかし都留からもこれほど素晴らしい富士が見えるということを再認識してもらいたい。富士山はライフワークとして帰国するたびにかいていきたい」と話している。

 今回の作品は25日から3日間、都留市YLO会館で紹介されるほか、次回の増田誠展で発表される。また「何点か都留に残していきたい」と話している。 【当時の紙面から】

(1989年2月1日付 山梨日日新聞掲載)
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