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2002.11.28 所属カテゴリ: ふじさんクエスト / 自然 /

富士山の魅力を短時間で満喫

 富士山5合目に位置する「御庭」「奥庭」と呼ばれるエリアは、富士スバルライン5合目より2~3キロ下った地点の道路の上下に広がる。道路より上が御庭、下が奥庭。近年、散策を楽しむ人が増えていて、動植物や地質、眺望など富士山の魅力を短時間で存分に味わえる。

 5合目総合管理センターから奥庭までの御中道では、カラマツやシラビソなどが茂る薄暗い森と、火山の噴出物に覆われた赤茶色の山腹の光景が交互に現れる。雪崩や土砂崩落で植生が失われ、砂れきの山肌がむき出しになるため。

 視界が開ける場所では、天候次第で麓の富士五湖、遠くは南アルプスまで見渡せる大パノラマが楽しめる。季節によりコケモモやシャクナゲの花が楽しめる。

 御庭では火山と実感できる光景が広がる。散策路をまたいで縦に連なる大きなくぼみ。かつて溶岩をはき出した割れ目火口列の跡。火口脇にある、噴出物が積もってできたスコリア丘がたけだけしい。この辺りのカラマツは、低くテーブル状に枝葉が広がる形が特徴的。風雪の影響といい、富士山の厳しい自然環境を物語っている。

 スバルラインを渡り、奥庭方面に入ると、すぐに売店・宿泊施設「奥庭荘」。脇の水場は、キクイタダキやメボソムシクイ、ルリビタキといった野鳥を間近に観察できるスポット。

 奥庭から山頂の眺めは、眼前に雄大な山容が広がる。一帯の木々が色づく紅葉シーズンはさらに壮観。

 御庭、奥庭を含む5合目周辺では、5月1日から10月31日まで解説員の無料案内を受けることができる。散策時間は2時間半ほど。5合目総合管理センターで受け付け。
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