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広域避難の流れ

 富士山で大規模噴火が起きた場合、山梨側の富士北麓7市町村では最大8万4千人の避難が想定されている。大勢の人を速やかに確実に避難させるため、対策編では、住民や災害弱者、観光客ら立場に応じた避難の手段や流れ、避難所の受け入れ調整や手順などの方針を示している。

 住民はマイカーによる避難が基本。高齢者や観光客ら自家用車を確保できない人は、県や市町村が用意するバスやトラックを利用する。

 避難指示、勧告が発令されたら、自治体から受け入れ市町村について指示を受けて避難を開始する。広域避難路に指定されたルートを使い、チェックポイントとなる一時集結地へ移動。自治会単位などで振り分けられた受け入れ避難所がどこか指示を受け、おのおの避難所に向かう。一時集結地は駐車場の広い場所などが想定されている。

 山梨側の広域避難者の受け入れ先は、中北(甲府市、韮崎市、南アルプス市、北杜市、甲斐市、中央市、昭和町)、峡東(山梨市、笛吹市、甲州市)、峡南(市川三郷町、早川町、身延町、富士川町、南部町)、東部(都留市、大月市、上野原市、道志村、小菅村、丹波山村)の4地域。避難する市町村が避難想定人数や火山活動の状況、地理条件などを考慮し、県などと調整して避難先を決める。

 広域避難は事前調整が不可欠。避難する市町村は平常時から広域避難対象者を把握し、マイカーのない住民らの輸送手段を確保する必要がある。受け入れ市町村と協力して一時集結地をあらかじめ選定してリスト化し、住民へ周知することも明記された。


 【富士山火山広域避難対策編】

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