「一富士 二鷹 三茄子」とは
縁起のよい夢を順に並べて言う言葉。駿河の国(現静岡県)のことわざで、一説に駿河の名物を言うともいう(「広辞苑」より)。ここにいう夢は主に正月に見る初夢のこと。このことわざの由来はいくつかあるが、代表的なものを紹介する。
「神君駿城に御坐ありし時」の話として伝わるのは、徳川家康である神君が駿府城に居る時、初ナスがあまりに高かったため、その値段の高さを「まず一に高きは富士なり、その次は足高山(愛鷹山)なり、其次は初茄子」と言い表したという(東京堂刊「故事ことわざ辞典」より)。
ほかに駿河の名物を並べたという説。「富士」はいうまでもない。「鷹」は富士山ろくから出るタカが、唐種で素晴らしく「こまかえり」と呼ばれる。「茄子」は駿河国産のナスが他国に先駆けて採れる名産であること、というもの。
もう一つはまた徳川家康にかかわることで、天下を取った家康の好物を並べたという説。景色では富士山、趣味はタカ狩り、食べ物はナス。それを夢に見てあやかろうというのだろう。
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