富士山の雲の種類で天気が分かる!?
「夕焼けは晴れ、朝焼けは雨」「太陽や月がかさをかぶると雨」「星がまたたけば風が強くなる兆し」-。昔から言い伝えられている天気を占うことわざは、今も各地にたくさん残っている。昔の人は空の様々な変化を注意深く観察し、天気を予想した。
風や雲の動き、空気の暖かさや湿り気、太陽や月や星、山の見え方などから天気を予測することを観天望気(かんてんぼうき)と言う。富士山にかかる雲は観天望気のよい指標になる。代表的なものが笠雲とつるし雲。「富士山が笠をかぶれば近いうちに雨」「ひとつ笠は雨、二重笠は風雨」など、富士山麓には雲に関係することわざが多く残っている。また、元河口湖測候所所長の細田剛さんの「天気がわかることわざ事典-富士山を中心として」(自由国民社)には、富士山と雲の様子でみる天気予測が細かく例示されている。
笠雲とつるし雲。有人化業務(2003年9月30日終了)が行われていた当時の河口湖測候所の観測によると、出現日数は笠雲が月に6.1日、つるし雲は3日程度で、季節別では夏に割合多く、出ている時間は笠雲で平均3.1時間、つるし雲で3.8時間。中には2、3日間続けて出ていることもあったという。
雲が出た後、24時間後までに雨になる確率は笠雲が73%、つるし雲は79%、両方の雲が同時に出現した場合は81%にも達した。また、雨となる確率を季節別にみると春秋の的中率が高いという。
富士吉田市から見えた2種類の笠雲がかかった富士山 | 御坂山塊の稜線沿いに現れた滝雲。山梨県内上空の天気の境面になってできた=甲府市内から |
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