富士山の麓の野外音楽堂
山梨県河口湖町(現・富士河口湖町)のまちづくり構想「五感文化構想」の「聴覚」を担う施設として、同町船津の河口湖総合公園内に1995年オープンした野外音楽堂「河口湖ステラシアター」。「ステラシアター」の名は公募により決定。ステラ(stella)はイタリア語で「星」のこと。
鉄筋コンクリート造りと鉄骨造りの部分があり、地上3階、地下1階。延床面積は4457.4平方メートル。主な構成施設は野外大ホール、室内小ホール(兼リハーサル室)、共通ロビー、楽屋及びスタッフ控室、 ショップなど。
野外大ホールは古代ローマ劇場をイメージしており、客席は30度の傾斜角を付けたすり鉢状の半円型。約3000人を収容できる。音響反射板を備えたステージは中央部から左右に分かれる可動式で、分かれると客席から正面に富士山を眺望することができる。
2007年、前年から設置工事を進めていた野外大ホールの可動屋根が完成。天候や公演内容に応じて屋根の開閉を選択することができる。その後、露天になっている残りの部分にも可動ではない屋根が増築された。
地域における創造的で文化的な表現活動のための環境づくりに特に功績のあった公立文化施設を顕彰する「JAFRAアワード」2007年度総務大臣賞受賞。
世界的な指揮者、佐渡裕氏の監修のもと2002年8月から毎年開催されている、企画創造住民参加型の音楽祭「富士山河口湖音楽祭」の主要会場の一つ。また、野外コンサートや演劇・オペラなど多彩な催しを開いている。
所在地は山梨県富士河口湖町船津5577。
◆河口湖ステラシアターの歩み◆
【1995年7月】 河口湖ステラシアターがオープン。グランドオープニングコンサート開催。ロビーでの案内業務などの運営に文化ボランティアを組織化して取り組む
【1998年5月】 文化ボランティアを発展的に組織化し「河口湖ステラシアターサポーターズクラブ」を設置、ボランティアの研修などを強化
【2001年8月】 河口湖ステラシアターで佐渡裕さん指揮PMFオーケストラ公演開催。佐渡さんとの初めての演奏会
【2002年8月】 佐渡さんを音楽祭監修に迎え第1回富士山河口湖音楽祭を河口湖ステラシアター、河口湖円形ホールを中心会場にし開催。総参加者数は約4500人
【2004年8月】 3回目の音楽祭開催。富士急行線電車内、河口湖上遊覧船、美術館などのアウトリーチコンサートを充実
【2006年8月】 音楽祭開催5周年。37企画を開催し、総参加者数は1万6千人を超える
【2007年8月】 6回目の音楽祭。佐渡さん指揮「富士山の麓で第9演奏会」を開催し、好評を得る。山梨交響楽団の演奏と、県内外から約500人の合唱団が参加
【2010年7月】 音楽祭が、文化庁「優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業」の採択を受け、5年間の財政支援が内定
【2012年2月】 富士山河口湖音楽祭実行委員会が、第2回地域再生大賞特別賞を受賞
【2013年6月】 国民文化祭夏のオープニングイベントを開催
【2015年6月】 台湾の新北市秀朗小弦楽部を招き、国際交流音楽祭を初開催。富士急ハイランドでの出前演奏や、日本のジュニアオーケストラとの競演が実現