待望の山頂、登山客続々
富士山、通行止め解除
山小屋「3連休間に合った」

更新日:2019年07月10日(水)

 富士山の山頂付近で神社の石積みが崩れ登山道をふさいでいた問題で、山梨県は9日、山頂付近の通行止めを解除した。5合目には山頂を目指して登山客が詰め掛け、待望の全面開通を歓迎する声が相次いだ。静岡県側が山開きする10日までに復旧できなければ、静岡側からの登山にも影響が出ただけに、山梨県関係者は一様に「間に合ってよかった」と安堵の表情。通行止めの影響で山小屋にはキャンセルが相次ぎ、観光関係者からは「売り上げの落ち込みを取り戻したい」との声も聞かれた。

 「山頂まで開通するとニュースで知り、8日に慌てて山小屋を予約した。初めての富士登山なので山頂からの御来光が楽しみ」。東京都町田市の会社員男性(30)は9日昼、5合目で装備の確認を済ませると、山頂を目指して登山道を歩き始めた。

 この日、5合目ロータリーは時折雨が降り、霧がかかる天気だったが、山頂を目指す大勢の登山客の姿が見られた。友人ら4人で訪れた大阪市のアルバイト男性(25)は「山頂まで行けないなら、山小屋をキャンセルするつもりだった。開通してラッキーだ」と笑顔を見せた。

 山梨県によると、山頂直下の久須志神社付近で積まれていた溶岩などが幅約10メートルにわたって崩落。昨年10月の台風の影響とみられ、山頂のフェンスは基礎部分が失われ、土台のコンクリートブロックが浮いた状態になった。

 県は6月末から復旧工事を始めたが、山開きの7月1日に間に合わず、開通は吉田口登山道の8合5勺までとした。この日までに山頂のフェンスを撤去して防護柵を設置した後、落石防止として樹脂製のネットで斜面を覆って安全を確保。9日午後3時に通行止めを解除した。本格的な復旧工事は閉山後に行う。

 10日に山開きする静岡県側の3ルートのうち、御殿場口、富士宮口両登山道から同日以降の登頂は可能だったが、10日までに復旧できなければ、吉田口登山道と合流する須走口登山道からの登頂にも影響が出る恐れがあった。県の担当者は「静岡県側の山開きまでに復旧できなければ、登山者の増加で混乱する可能性があった。10日までに復旧できてよかった」と話した。

 富士山本8合目にある山小屋「トモエ館」は1日の山開き以降、予約のキャンセルが続出。望月勉支配人(62)は「週末の13〜15日はほぼ満室状態となったが、開通が遅れればさらにキャンセルが増えると心配していた。ほっとしている」と話した。

 一方、県世界遺産富士山課によると、復旧工事の影響で登山道や山頂付近の道幅が狭まっているといい、担当者は「通常よりも危険な状態。誘導員の指示に従い、安全を確保してもらいたい」と注意を呼び掛けた。

通行止めが解除された富士山頂付近の登山道。崩落斜面はネットで覆われている=9日午後3時ごろ、山日YBSヘリ「ニュースカイ」(NEWSKY)から
通行止めが解除された富士山頂付近の登山道。崩落斜面はネットで覆われている=9日午後3時ごろ、山日YBSヘリ「ニュースカイ」(NEWSKY)から
山頂を目指して歩き始める登山者=富士山5合目
山頂を目指して歩き始める登山者=富士山5合目
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