県内自生の植物 標本寄贈
大月の小林さん、生物多様性センターに1万8641点
「希少種含む貴重な資料」

更新日:2019年02月07日(木)

 大月市御太刀1丁目の小林岳(たかし)さん(92)は、自ら収集した県内に自生する植物の標本1万8641点を富士吉田・環境省生物多様性センターに寄贈した。標本を収めたファイルは825冊に上る。同センターによると、希少種も多く含む貴重な資料といい、小林さんは「研究に役立ててもらえればうれしい」と話している。

 小林さんが標本を作り始めたのは、旧制都留中1年だった1941年。夏休みの宿題で植物標本を作って発表したところ、先生や同級生たちから褒められたのがきっかけとなり、独学で植物の標本や生態を学んだ。

 運送業や学習塾経営の傍ら研究を続け、65年に山梨生物同好会へ入会。積極的に県内各地の山林を歩くようになった。天然記念物調査の際は県の許可を得て貴重植物の採取も行い、県内に自生する植物の約9割に当たる種類を収集したという。

 作った標本はキタダケオドリコソウやヒメウラジロのほか、クサノオウバノギクなどあまり知られていないものも含め2189種に及び、1種ずつA4判ファイルに収めた。シダや種子、被子などを植物ごとにまとめ、さらに科目ごとに細かく整理した。標本の存在を知った同センターの依頼を受けて、寄贈を決めた。小林さんは「個人所有では保存も大変。後世のために少しでも貢献できるならと思い、贈呈することにした」という。

 同センターの担当者は「郡内地域からなくなっている植物などの標本もあり、貴重な資料」と説明。寄贈された標本の特別展などを検討しているという。

 小林さんは「多くの人に見てもらい、植物に少しでも関心を持ってもらえるように活用してほしい」と話している。

環境省生物多様性センターに寄贈した植物標本825冊が並ぶ自宅の書庫で標本を手にする小林岳さん=大月市御太刀1丁目
環境省生物多様性センターに寄贈した植物標本825冊が並ぶ自宅の書庫で標本を手にする小林岳さん=大月市御太刀1丁目
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