富士山保全へ登山者管理
政府、ユネスコに2度目報告

更新日:2018年11月30日(金)

 政府は29日までに、世界文化遺産・富士山の保全状況報告書を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出した。2016年1月に続いて2度目。ユネスコ側が求めた登山者対策は「望ましい水準」を吉田口登山道で一日当たり4千人に設定。景観改善や顕著な普遍的価値を伝える情報発信の具体的な取り組みも明記した。報告書は6〜7月にアゼルバイジャンで開かれる世界遺産委員会で審査される。

 県世界遺産富士山課によると、報告書は外務省からユネスコ日本政府代表部を経て、パリのユネスコ世界遺産センターに現地時間の26日に提出された。16年提出の報告書を審査した世界遺産委員会は、今回の報告書で来訪者管理や情報発信、景観改善などの取り組み状況の進捗を示すように求めていた。

 報告書では、来訪者管理につながる「望ましい登山者数の水準」を、吉田口登山道で一日当たり4千人と設定。4千人を超える日数を3日以下とする目標を盛り込んだ。

 世界遺産にふさわしいか審査した国際記念物遺跡会議(イコモス)は、13年の登録時の勧告や報告書策定段階での助言で、来訪者の制限手法の検討を強く求めていた。

 文化的価値の情報発信については、16年6月に富士河口湖町に整備した「県立富士山世界遺産センター」を拠点にすると記載。センターを中心に巡礼路などに関する調査や研究を進めていると説明した。土砂災害や落石から登山者を守る登山道の導流堤を自然になじむ色合いに変え、麓の住宅や店舗、看板などを修繕して景観を改善したことも記載した。

 アゼルバイジャンでの世界遺産委員会では、新たに記載した取り組み状況が審査のポイントになるとみられる。

 同課担当者は「関わる人が多い課題だったが、関係者の苦労で報告書を提出することができた。前回審査の要求にはしっかり応えていて、良い評価が得られると期待したい」としている。

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