“日本のシンボル”広がる自然

“日本のシンボル”広がる自然
 日本一高い富士山をはじめ、箱根や複雑な海岸線の伊豆半島、伊豆七島を含む『富士箱根伊豆国立公園』。山岳や森林、湖沼、海岸、島など多様な景観を広げる。1936(昭和11)年2月に富士箱根国立公園としてスタートしてから、2016年で80周年を迎えた。国内外から訪れる多くの観光客らを魅了する。

 山梨、静岡、神奈川、東京の1都3県にまたがる富士箱根伊豆国立公園は富士山、箱根、伊豆半島、伊豆諸島の4地域で構成している。それぞれが独立した国立公園であっても通用するバラエティーの豊かさを誇る。1936年2月1日、「富士箱根国立公園」として富士山を中心とする地域がまず指定され、その後、1938(昭和13年)に箱根地域、1955(昭和30)年に伊豆半島地域が追加指定され、名称も「富士箱根伊豆国立公園」となった。さらに1964(昭和39)年に伊豆七島が追加指定された。

 総面積は12万1695ヘクタール(陸域のみ)。特別保護地区、特別地域は全体の73%。年間利用者数は1億人前後。霊峰富士を中心に広大なすそ野、湖と豊富な温泉、優雅な海岸線、南国ムード豊かな伊豆七島など、休養と保健をかね備えた世界的な観光地。

 そのうち山梨県分は3万6742ヘクタールで、富士吉田市、富士河口湖町、西桂町、身延町、忍野村、山中湖村、鳴沢村にわたり、すべて富士山地域に入る。同公園の主役である富士山は、日本の最高峰というだけでなく、その均整のとれた美しさから、国内屈指の観光資源。富士五湖、青木ケ原樹海、御坂山塊、三ツ峠などと雄大なパノラマを形成、中央自動車道富士吉田線や東富士五湖道路、富士山有料道路の開通で、多くの観光客が訪れる。

 約1万年前の火山活動で現在の姿をほぼ形成した富士山の裾野には、多様な溶岩地形、針葉樹の樹海が広がる。胎内、氷穴、溶岩樹型や山中湖村のハリモミ純林、レンゲツツジの群落は国の天然記念物に指定、植物も標準的な垂直分布をなしている。また“富士の鏡”とも呼ばれる5つの湖が点在し、北麓の景色に彩りを添える。さらにその中に、さまざまな動植物が共存していて、火山現象による動鳥類も多く、特に鳴禽類の多いのが特徴。

 このほか、箱根地域には金時山、大涌谷、芦ノ湖、伊豆半島地域は万二郎岳、万三郎岳、伊豆諸島地域は新島、八丈島を持ち、同公園は貴重な自然にあふれている。


◆富士箱根伊豆国立公園の歩み◆

【1936年】
  2月 1日 富士山周辺や箱根地域を「富士箱根国立公園」に指定

【1955年】
  3月15日 伊豆地域が編入し、「富士箱根伊豆国立公園」に名称変更
  4月 1日 伊豆諸島地域を「伊豆七島国定公園」に指定

【1964年】
  7月 7日 伊豆七島国定公園を富士箱根伊豆国立公園に編入

【1975年】
  2月21日 北富士地域(富士山地域の一部)を富士箱根伊豆国立公園に編入

【1986年】
  5月17日 県富士箱根伊豆国立公園指定50周年記念式典が開かれ、「富士山宣言」採択

【1995年】
  1月11日 富士箱根伊豆国立公園富士山地域環境保全対策協議会が発足

【1996年】
  1月17日 富士山地域の地種区分設定で、環境庁が示した修正案に山梨県が同意。青木ケ原樹海の一部など約1,000ヘクタールを特別地域に格上げ
  6月10日 環境庁が、富士山地域の新しい地種区分を決定。特別、普通地域の2区分から特別保護地区、第1−3種特別地域、普通地域の5区分に変更

【1998年】
  6月24日 環境庁(当時)の動植物調査の拠点となる「生物多様性センター」が山梨県富士吉田市にオープン
 11月18日 山梨、静岡両県が「富士山憲章」を制定。富士山を美しい姿のまま後世に引き継ぐことが基本理念

【2013年】
  6月22日 第37回ユネスコ世界遺産委員会において、「富士山」が世界文化遺産に登録

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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