「生まれ変わる」信仰の場所

「生まれ変わる」信仰の場所
吉田胎内樹型=[国指定天然記念物 山梨県富士吉田市上吉田 昭4.12.17]

 富士吉田市上吉田の剣丸尾溶岩流の東縁に位置する溶岩樹型。937(承平7)年に起きた噴火で形成されたとみられ、富士講信者によって発見された。樹型内部があばら骨や乳房のように見えるため、人体の内部にたとえて「胎内」と呼ばれる。

 1本の横穴型と3本の井型状樹型、小円筒状横穴樹型からなる。横穴型樹型には樹木の木肌がはっきりと残り、天井に溶岩鍾乳石、内側にはたれた溶岩がろっ骨状に広がる。底面には溶岩石筍(じゅん)もある。奥に木花咲耶姫命が祭られている。

 胎内樹型にある吉田胎内神社では、年に一度「胎内祭」が行われる。富士山を信仰の対象とする人々が、富士山噴火などの災害が最小限になることを祈願する神事で、明治時代から続く。富士吉田市内の「御師の家」当主でつくる北口御師団が開いている。

 同神社は古くから富士登山者の霊場の一つとなっており、富士山信仰や胎内樹型を広く知ってもらおうと、近年はゴールデンウィーク中の4月29日に行われている。神事を行った後、富士講信者が儀式「お焚上げ」を行う。

 富士山信仰では、胎内に入り、外に出ることで生まれ変わる、とされている。富士講信者には富士登山前にはいったん胎内樹型を訪れ、身を清めてから登山する習わしがある。

 普段は閉鎖されている胎内樹型だが、「胎内祭」の神事の後には一般公開され、内部の様子を見学できる。
富士山NET−吉田胎内樹型
吉田胎内樹型


山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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