5合目標高なぜ違う?

5合目標高なぜ違う?
 世界文化遺産に登録された富士山。7月から9月の夏山シーズンには、毎年多くの登山者が訪れる。その頂につながる登山道は大きく四つある。どのルートも5合目駐車場までは車が乗り入れできるが、いずれも同じ「5合目」を称しているから標高も同じかと思いきや、実は1000メートル近い差がある。なぜルートによって標高が違うのか。そもそも「合目」とは何だろう。

 富士山の登山ルートは、吉田口(山梨側)、富士宮口、須走口、御殿場口(静岡側)の4ルートに大きく分かれる。環境省と山梨、静岡両県でつくる「富士登山オフィシャルサイト」をみると、5合目の登山口の標高は吉田口が2300メートル、富士宮口2400メートル、須走口2000メートル、御殿場口1450メートルとなっている。なお、御殿場口のみ「新5合目」の標高だ。

 最も高い富士宮口と、最も低い御殿場口では950メートルの差がある。東京スカイツリー1.5本分の高さの違いだ。

 そもそも「合目」というのはどんな意味か。広辞苑には「合目」は、路程(みちのり)を10分割したうちの一つ、と解説してある。だが、実際に登った感覚だと、どうもしっくりこない。

 ほかにも諸説ある。富士山本宮浅間神社社務所刊の「富士の研究」によると、白米を升からあけた山の形が富士山に似ていることから1里を1合とした説のほかに、梵語の「劫」が「合」に変化したとの見方もある。米をパラパラ落としながら登り、1合なくなったところで「1合目」とした説まであるという。

 富士山の登山道は神社からスタートしている信仰の道。自然景観などを楽しむのに加え、『合目』の意味や歴史に思いをはせながら、世界遺産の魅力を満喫するのもいい。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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