火山用語知り万一に備え

火山用語知り万一に備え
 長野、岐阜両県にまたがる御嶽山の噴火(2014年9月発生)や富士山の火山防災対策などで、火山災害に関する用語を聞く機会が増えた。だが、噴火の種類にはいくつかのタイプがあり、火山災害の特徴や危険性もケースによって異なる。なじみのない用語もある。火山災害の知っておきたい用語などをまとめた。

【噴火の種類】
 一口に噴火と言ってもさまざまある。マグマによって熱せられた地下水が水蒸気となって爆発するのが水蒸気噴火。今回の御嶽山のケースはこれに当たる。このほか、地下水や海水にマグマが直接接触して爆発するマグマ水蒸気噴火、マグマそのものが噴出するマグマ噴火がある。富士山が最後に噴火した「宝永噴火」(1707年)はマグマ噴火と考えられるという。

【火山灰、噴石】
 噴火によって噴出した小さな固形物のうち、直径2ミリ以下のものを火山灰、2ミリ以上を火山礫と呼ぶ。火山灰は時には数十キロメートルから数百キロメートル以上運ばれ、農作物の被害や水質の汚濁、鉄道や道路の不通、航空機のエンジントラブルなどの影響を及ぼす。爆発的な噴火で火口から噴き飛ばされる直径50センチ以上の大きな岩石などは、火口から弾道を描いて飛散し、短時間で落下する。建物の屋根を打ち破るほどの破壊力がある。被害は火口周辺の2〜4キロメートル以内に限られるが、大きな噴石の飛散で登山者などが死傷したり建造物が破壊されたりする災害が発生している。

【火砕流】
 高温の火山灰や岩の塊、空気や水蒸気などが一体となって急速に山体を流れ下る現象。規模の大きな噴煙の崩壊や、マグマが流れ下ることなく盛り上がりドーム状になった「溶岩ドーム」の崩壊などが原因で発生する。御嶽山の噴火でも起きた。温度は数百度で、建物などを破壊、焼失させる。流れる速度は時速数十キロから百数十キロに達する。1990年からの雲仙・普賢岳の噴火では、大規模な火砕流が発生し多くの命を奪った。

【溶岩流】
 火口から噴出したマグマが液体のまま地表を流れること。速度は地形や溶岩の粘り気によるが、比較的ゆっくりのため、人が歩いて避難することもできる。温度は約1千度で、建物や道路、森林などを焼失、埋没させる。1986年、伊豆大島の三原山が噴火した際は、溶岩流が市街地に迫り、住民が島外へ避難した。

【火山泥流】
 岩石や土砂が水と混じって流れる現象。積もった火山灰などが雨によって流されて発生し、時速60キロを超えることもある。谷筋や沢沿いを一気に流れる。噴火に伴う火砕流の熱などで雪が解け、周辺の土砂や岩石を巻き込みながら流れる「融雪型火山泥流」もある。

【火山ガス】
 マグマに溶けている水蒸気や二酸化炭素、二酸化硫黄、硫化水素などが気体となって放出される。二酸化硫黄や硫化水素は少量でも吸い込むと死亡することがある。二酸化炭素も多量に吸い込むと酸欠状態を起こすため、危険だ。

<火山防災の心得>
 ・噴火警戒レベルに対応する危険な場所や避難場所を確認しておく
 ・気象庁の噴火予報、噴火警報に注意する
 ・噴火時、風下では噴石が遠方まで飛来するため、丈夫な建物に避難する
 ・火砕流、火山泥流などからは、流路から遠ざかる方向に避難する
 ・火山ガスや噴気地帯に気を付けて登山計画を立てる
 ・登山の際は、念のためヘルメット、ガスマスクなどを持っていく
(気象庁パンフレットより作成)

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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