ことわざで知る天気

ことわざで知る天気
 天気や天候を予測する昔からの言い伝えを「天気俚諺(てんきりげん)」と言う。簡単にいえば、天気のことわざ。雲、風、虹、雷、視界、光の現象など気象の特性に注目したり、動植物などの生態の変化に注目したりして天気を占う。経験に基づいて生まれた先人の知恵のようなもので、長く残ることわざの中には科学的理屈に合うものも多くある。

 たとえば「夕焼けは晴れ」。夕焼けになる時は、西空に夕日を遮る雲が少なく、晴れの区域が広がっている証拠だ。この晴れの区域が西から次第に東にやってくるため翌日は晴れることが多くなる。日本の天気は基本的に西から変化することと一致することわざだ。

 富士山周辺には天気のことわざが多くある。主に富士山にかかる独特の雲に関係するものだが、周囲の山の様子や、中には北富士演習場に関係する変わり種もある。

 代表的なものでは「富士山に笠雲(かさぐも)がかかると雨」。笠雲は上空に湿った空気が流れ込み、山越えをする際に現れる。全般に南寄りの風になっていることが多く、低気圧や上空の気圧の谷が接近した時に出やすいので天気は下り坂だ。

 同じ笠雲でも、冬に見られる山頂から少し離れて出る「はなれ笠」では「富士五湖地方は晴れ」となる。吊(つる)し雲では「富士山の東に吊しが出ると雨」が知られている。「富士山の中腹に細い糸雲(帯雲)がかかると夕立がくる」というものもある。

 周囲の山に関係するものでは「(河口湖の北側にある)三ツ峠がはっきり見えれば天気になる」「(富士吉田市の東にある)杓子山に雲がかかると吉田は雨」「(河口湖の西にある)足和田山から降る夕立は大雨」などがある。

 自衛隊が訓練する際の「北富士演習場の大砲の音がよく聞こえると雨」というものもある。これは「列車の音がよく聞こえると雨」に通じ、音が大気中の水蒸気量が多いとよく伝わる性質に基づいている。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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