登山シーズン到来

登山シーズン到来
 富士山の山開きは7月1日。しかし、通常この時期は梅雨の真っ最中だ。山開きしたものの好天に恵まれた夏山登山を楽しめるチャンスは、めったにない。気象的にみた富士登山シーズンは、梅雨が明けてからとなる。

 梅雨明け後は、太平洋高気圧が日本列島に張り出してきて、列島が夏の空気にすっぽり覆われる。特に、等圧線で描かれた太平洋高気圧の張り出しが、クジラの尾の形に似て列島全体を覆ってくると天気は長く安定し、夏山登山を満喫できるわけだ。「梅雨明け十日」という言葉は、梅雨明け後にそうした気圧配置になりやすいことから生まれた言葉だ。

 山梨の梅雨明けは平年で7月20日ごろ。富士山のふもとの河口湖の晴れる確率を見ると、7月中旬までは30%前後なのに対して、下旬から8月にかけて約50%になる。7月下旬から晴れる確率が上がるのは梅雨が明けたからだ。富士山測候所の観測では、午前9時に晴れている日数が1カ月で20日を超えるのは11月から2月にかけてと8月だ。冬型の気圧配置となる冬季と太平洋高気圧に覆われる盛夏期に晴れる日数が多いわけだが、冬季の富士山は「極寒強風の世界」なので一般的な登山には向いていない。

 平均気温、最高気温がプラスになるのは6月から9月まで4カ月間で、最低気温もプラスになるのは7、8月だけだ。風を見ると、最大風速が10メートルに達しない風の弱い日が最も多いのは8月の13.2日、続いて7月の9.5日。平均風速が最も小さい月も8月の7.3メートル、続いて7月の8.5メートルだ。

 梅雨明け後の7月下旬から8月。富士山は天気が安定し、年間で最も気温が高く、風も弱い、登山にとって最適シーズンを迎える。この時期に富士登山を楽しむ人は毎年数十万人に上る。

 快適な富士登山とは言っても、富士山は3776メートルの日本一高い山。高山病や天気の急変などに注意が必要だ。体力の過信や、安易な気持ちでの登山は禁物だ。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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