富士の見え方で大気の透明度を判断

富士の見え方で大気の透明度を判断

 空気の汚れは「富士見」で判断−。東京都は都庁(新宿区)から見える富士山の日数を数え、月別で公表している。大気の汚れ具合を分かりやすく伝えるための取り組み。1時間ごとの富士山方面の写真もホームページ(HP)で公開している。

 都環境局によると、観測地点は都庁第2本庁舎の31階で、標高は169メートル。毎日午前9時、会議室の片隅に固定されているカメラで自動撮影して確認している。

 1971年度、千代田区にある気象庁ビル(標高36メートル)で観測をスタート。新庁舎が完成したことに伴い、1992年度から都庁第1本庁舎35階(標高192メートル)に移り、2003年度から現在の場所になった。

 日本のシンボルとして親しまれていることから富士山を対象にした。都庁と富士山の距離について、担当者は「都として公式に調べたことはないものの、100キロ弱と聞いている」と話す。

 天気がいい日に空気中のちりが少なければ、見通しがきく距離「視程」が大きくなるため、富士山が見えるかどうかは空気の“透明度”を知るための目安になる。分かりやすい基準で示すことで、大気汚染対策に関心を持ってもらう狙いがあるという。

 2012年度までの21年間のデータを月別に見ると、富士山が見えた日数は北風で空気中のちりが拡散されやすい冬場に増える傾向があり、ピークは1月の平均18・3日。逆に最も少ないのは6月で平均1.1日となっている。年度別で見ると、73〜111日(平均85.8日)の間で推移している。

 担当者は「雨や曇りのほか、晴れていても水蒸気でもやがかかって富士山が見えないことがある。大気汚染対策が進んだ結果、今では見えるか、見えないかは気象条件の影響の方が大きい」と分析している。

 【写真上】都庁31階から望む富士山

 【写真下】固定された箱の中にカメラが設置されている=いずれも東京都新宿区西新宿2丁目

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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