三島由紀夫と富士

三島由紀夫と富士

 雄大な富士が望める山中湖村の「文学の森」の一角に1999年、「三島由紀夫文学館」=写真がオープン。以来、同館は三島文学研究の全国の拠点になるとともに、小学生時代の作文から、遺作「豊饒の海」の創作ノートや生原稿まで豊富な資料を収集、展示している。

 しかし三島と富士のかかわりは深いとはいえない。作品に富士山が出てくるケースも少なく、34歳の時に発表した長編小説「鏡子の家」に取り上げられたくらいである。とはいえ、この作品では山梨側から見る「富士山」と眼下に広がる「樹海」が重要な場面で登場。富士山については「これだけ名高い山がこんなお誂え向きの姿で窓に浮んでいると、何だか贋物のような気がする」と記述している。

 また晩年、自ら創設した「楯の会」の学生を率いて、陸上自衛隊富士学校(静岡県小山町)に体験入隊し、その時の様子をエッセーなどに残している。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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