世界遺産「富士山」へ プロジェクト始動
横内山梨県知事会見要旨
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 −イコモスの登録勧告を聞いた時の感想は。

 答え ちょうど(宮城県)石巻におりまして、向こうの震災などの状況を視察してきたわけです。昨晩12時ごろに県庁からの連絡で知りました。間違いないと思いながら、しかし不安を持っていただけに天に昇るような喜びでいっぱいでした。

 −勧告を受け、入山料の導入や開発規制をどう考えるか。

 答え 入山料について従来申し上げてきたことは、基本的に私は賛成であります。しかしながら、利害関係者が富士山の場合は非常に多いですから、そういう利害関係者のコンセンサスを得ることが大事だということを申し上げて参りました。現在の段階は、富士山世界文化遺産協議会という富士山を保存管理していく組織ができており、その組織の中に作業部会が設けられております。その作業部会でこの入山料について検討していくということになっておりまして、今は担当の課長同士で今後どういう手順で検討を進めていくかを相談している最中であります。例えば学識経験者の意見も聞かなければいけないからそういう組織をつくろうかとか、いろいろ今後の検討の仕方について協議をしている最中であります。

 イコモスの指摘の中には、富士五湖周辺等においてかなり開発が進みつつある。その開発についてのコントロールとか、あるいは来訪者管理、これは要するに登山者対策ということです。あと運用のこととか、あるいは公共工事などが行われている。イコモスのこの勧告では2016年までにそういった問題について日本としてどう対応していくのかを検討して、イコモスに報告しなさいと、ユネスコ世界遺産センターに保全状況報告書を出しなさいということを言っているわけです。あと3年あるわけでありますが、今のような問題については関係者の間で十分協議した上で、しっかりしたものをユネスコにお出しするということになると思います。

 −「三保松原」(静岡市)を構成資産から除外するよう求められた。

 答え 再々申し上げておりますように富士山と三保松原は日本の代表的な景観の一つです。三保松原を入れたということは、我々としては適切な判断ではなかろうかと思っているわけなのです。しかしあまりにも距離が離れているために、イコモスにしてみれば富士山及びその関連する宗教的あるいは芸術的な遺産群に含めるには一つだけ飛び離れているところが引っかかったのではないかと思います。

 −世界文化遺産に登録される意義は何なのか。

 答え 登録意義というのは、一つには、日本の宝が世界の宝になるわけです。そうすることによって、山梨県民、あるいは地域の住民の皆さんの思いで、自分たちは富士山という世界の宝の近くに住んでいる、従ってこういう地域を自分たちが守る、自分たちの力で大切にし、よりよいものにしていかなければならない、そういう地域づくりへの意欲が高まってくることが期待されると思います。それから、これは観光地としての効果も大きいわけでありまして、やはり世界の宝ということでありますから、世界的なグレードを持った観光地として、将来発展していく可能性が大いにあると、単に日本人だけではなくて、世界中から人々が訪れる、そういう観光地になっていく可能性があると思います。

2013年5月2日付 山梨日日新聞掲載


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