世界遺産「富士山」へ プロジェクト始動
観光客増、波及効果大きく
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2004年登録・紀伊山地 国際的お墨付き、魅力に
 熊野古道で有名な奈良、三重、和歌山の3県にまたがる世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」。登録面積エリアは約500ヘクタールと、国内の世界文化遺産では最大級の規模である。

 2004年に登録されるまでには富士山同様、文化財指定のため、多数の同意書を集めることが課題となった。

 和歌山県世界遺産課によると、3県で必要になった同意数は500件以上。約1年半かけて説明会などを開いて同意の収集に奔走した。全体の90%余り集まったが、残りの数%がどうしても同意が得られなかったという。

 このため同意が集まらなかった部分については、文化財の対象から除外することで対応した。当時、同意書集めの担当だった県職員は「同意しない人は外すという“裏技”を使うしかなかった」と振り返る。

 難航はしたものの、登録による波及効果は大きく、各県の担当者は「観光客が増加した」と口をそろえる。

 三重県教育委員会によると、登録前の2002年には約9万2000人だった観光客が、2009年は20万人突破と、大幅に増えたという。和歌山県では、高野山がフランスの雑誌に紹介されたことで、フランス人観光客が急増。「世界文化遺産」という国際的なお墨付きが、観光客にとって魅力になっているようだ。

 一方、同遺産は広範囲に及ぶため、保護が難しかったが、各県の足並みがそろってきたという。奈良県文化課は「世界文化遺産を守るための共通認識ができ、3県の連携が取りやすくなったことも大きい効果」と強調する。

2010年8月30日付 山梨日日新聞掲載


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