世界遺産「富士山」へ プロジェクト始動
広がる運動の輪
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「国民会議」がユネスコ会場訪問 グッズ配布し活動PR
世界遺産委員会に出席して、富士山の世界遺産登録活動をPRする富士山会議スタッフ=南アフリカ・ダーバン
180カ国から700人が参加して開かれた第29回世界遺産委員会=南アフリカ・ダーバン
 「富士山を世界遺産にする国民会議」の事務局スタッフは7月14日、北海道・知床の世界遺産(自然遺産)登録を決めた国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会が開かれた南アフリカ共和国・ダーバンの会場を訪問。各国から集まった自然保護や文化財保護などの関係者に対して、富士山の世界遺産(文化遺産)登録に向けたPR活動を展開した。
 富士山の“売り込み作戦”を実施したのは、同国民会議の榑松正記シニアプロデューサーら3人で、同委員会の前夜祭パーティーから参加した。同委員会の開催期間中、180カ国から約700人が出席したといわれる会場で、富士山の文化的価値を紹介した英語版や仏語版のパンフレットや、同国民会議のピンバッジ、シール、携帯電話用ストラップなどのグッズを配った。
 同時に、日本で富士山の世界遺産登録活動がスタートしたことや、「文化遺産登録」を目指していることを強調した。
 各国の出席者の富士山に対する認知度は高く、特にピンバッジは大好評だった。「富士山はよく知っているが、世界遺産じゃないの」(フランスからの参加者)といった富士山が依然として世界遺産に登録されていない現状に驚きを見せるような感想も相次いだ。
 ユネスコ関係者からも「富士山は日本一の遺産だ」(ムニール・ブシュナキ文科担当事務局補佐)、「さまざまな問題があることは知っているが、あなた方の活動に賛成する」(フランセスコ・バンダリン世界遺産センター所長)と、好意的な感触を得たという。

山梨、静岡両県がスクラム 国に支援を要請
加茂川幸夫文化庁次長(右)に協力を要請する山本栄彦知事(中央)ら=東京・文化庁
 富士山の世界遺産登録を目指して、山梨県の山本栄彦知事と静岡県の鈴木雅近副知事は7月4日、文化庁に加茂川幸夫次長を訪ね、登録に向けた指導、協力を要請するとともに、両県で足並みをそろえて取り組んでいくことを確認した。
 山本知事は「富士山は世界に誇ることができる存在。世界遺産への登録は観光振興や世界に向けた情報発信、環境保全の原点にもなる」と述べ、国の支援を求めた。両県知事連名の要望書では「富士山は信仰や芸術が積み重ねられた日本を代表する名山。世界文化遺産にふさわしい文化的景観」などとした。
 加茂川次長ら文化庁側は両県の取り組みを歓迎し評価しながら、「世界遺産登録のハードルは高くなっている。文化的価値の証明とともに、環境問題を含めていかに保存、管理していくかという計画がしっかりしていなければならない。その取り組みの先に登録が見えてくる」と話した。
 今後、両県は国の指導を受けながら、(1)(地元市町村を含めた)推進体制の整備(2)登録区域の範囲検討(3)学術的価値の証明(4)適切な保存管理計画の作成−を進める考え。国側も開発規制や土地利用規制について土地所有者らとの合意が必要との認識を示している。
 山梨県は本年度をめどに特別名勝としての富士山保存管理計画の見直し作業を進めていて、静岡県も来年度に同計画を策定する予定。山本知事は要望活動後、「両県民がこぞって登録に向けて努力していくことが大切だ」と語った。

2005年7月28日付 山梨日日新聞掲載


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