世界遺産「富士山」へ プロジェクト始動
世界遺産 人類の宝物
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“登録”が保護・保全のスタート
 1972年11月、第17回国連教育科学文化機関(ユネスコ)総会で「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)が採択された。国境を超えた人類共通の宝物として損傷、破損などの脅威から保護し、関係機関が協力して調査・保全することの大切さを条文でうたっている。1975年に発効し、締結国は日本を含む180カ国。

 日本ユネスコ協会連盟によると、世界遺産は(1)文化遺産(優れた普遍的価値を持つ建造物や遺跡など)(2)自然遺産(優れた価値を持つ地形や生物、景観などを有する地域)(3)複合遺産(文化と自然両方の要素を兼ね備えているもの)−に分類される。現在、世界遺産リストに登録されている文化遺産は611件、自然遺産は154件、複合遺産は23件で総計788件。134カ国に広がる。

 日本国内の世界遺産は、1993年に登録された白神山地(青森・秋田)、屋久島(鹿児島)など自然遺産2件、文化遺産10件。今年は7月10日に南アフリカ・ダーバンで第29回世界遺産委員会が開かれる。既に自然遺産候補地の知床(北海道)について、同委員会の諮問機関、国際自然保護連合(IUCN)が「登録が適当」としており、国内13件目の世界遺産登録が確実視されている。

 登録までのプロセスは、条約締結国がそれぞれの国内候補地の一覧表(暫定リスト)を作成し、この中から原則的に1年に1件、ユネスコ世界遺産センターに推薦することから始まる。同センターは文化遺産については国際記念物遺跡会議(ICOMOS)へ、自然遺産についてはIUCNに現地調査を依頼。毎年1回開かれる世界遺産委員会で、調査報告を基に登録の可否を最終決定する。登録されると、その国には遺産保護の義務が生じる。リストに登録されることがゴールではなく、保護・保全のためのスタートともいえる。

日本国内の世界遺産
■自然遺産  ▽白神山地(青森、秋田)
 ▽屋久島(鹿児島)=以上1993年12月登録
■文化遺産  ▽法隆寺地域の仏教建造物(奈良)
 ▽姫路城(兵庫)=以上93年12月登録
 ▽古都京都の文化財(京都、滋賀)=94年12月登録
 ▽白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜、富山)=95年12月登録
 ▽原爆ドーム(広島)
 ▽厳島神社(広島)=以上96年12月登録
 ▽古都奈良の文化財(奈良)=98年12月登録
 ▽日光の社寺(栃木)=99年12月登録
 ▽琉球王国のグスク及び関連遺跡群(沖縄)=2000年12月登録
 ▽紀伊山地の霊場と参詣道(三重、奈良、和歌山県)=04年7月登録

※このほか知床(北海道)、彦根城(滋賀)、古都鎌倉の寺院・神社ほか(神奈川)、平泉の文化遺産(岩手)、石見銀山遺跡(島根)の5件が暫定リストに記載されている。(富士山を世界遺産にする国民会議の資料から)

2005年6月29日付 山梨日日新聞掲載


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